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カムフラージュスカイ(1)

  1. 2015.03.30(月) _23:46:22
  2. 小説
  3.  コメント:6
今期のアークス候補生に選ばれた生徒達のために生徒会が開いた壮行会は、最高に盛り上がっていた。
期を追うごとに、先輩が、同級生が、とうとう後輩までもが、アークス候補生として旅立って行く。

私はいつでも見送る側。
いつまでも見送る側。



私にはフォトンを扱う才能がないから――。



司会の生徒がマイクを通して私の名前を告げる。

「続いては、音楽部所属2年の弥涼さんによる演奏をお楽しみください。曲はOur Fightingです」

拍手が沸き起こる。
私は小さく深呼吸すると、ゆっくりとステージの中央へと向かった。

会場は暗転し、ヴァイオリンを構えた私にスポットライトが当たる。
心を決めてタイミングを取り、弦の上に弓を滑らせる。
すると、目の覚める様な音色が高らかに響き、天井にはカムフラージュの青空が広がった。

先輩が私の弾く曲に合わせて用意してくれた演出に歓声が上がった。
でも私はその偽物の空のその先を見つめる。
一年前にこうして同じように送り出した親友を想う。

今どこにいるの?
何をしているの?
戦っているの?

答えはない。

図書データの中で見つけた古書に「便りの無いのは良い便り」という言葉が載っていた。
それを信じるしかなかった。

私はどうしてここにいるんだろう。
どうしてここにしかいられないんだろう。
どうして一緒に行けないのだろう。
一年前のあの時もこうして同じように送別の曲を弾いて、「がんばってね」と彼女を笑顔で送り出した。
けれど。
だけど。
本当は私も一緒に行けたらって今でも思ってる。



一緒に行きたかった。
カムフラージュの青空の、その先に広がる宇宙へ。



私が最後の音を弾き終えると、会場がまた拍手に包まれた。
私は笑顔で一礼してその場を去った。

壮行会は盛況のうちに幕を閉じた。
アークス候補生のみんなを盛大な拍手とともに送り出し、残った私たちは生徒会の号令の元、会場の後片付けを始めた。

「ねー、ゴミ袋あるー?」

私がゴミを集めながらそう言うと、誰かが「おつかれさまです」と言いながらすっと手元にゴミ袋を広げてくれた。
そのしぐさと声で顔を見なくても誰なのかすぐにわかった。
さっき送り出したばかりのはずの人物に、私は驚いて顔を上げる。

「じんくん。候補生は片付けなんてしなくていいんだよ?」
「いえ、やりますよ。楽しませてもらいましたから」
「そう?じゃー、手伝ってもらおうかな」
「はい」

ふと辺りを見回すと、送り出したはずの候補生みんなが戻って来て手伝ってくれている。
そういえば、去年もそうだった。


一緒に後片付けしたよね、ルミ。


片付けも終わり、もう一度候補生のみんなに声援を送って解散する頃には、すっかり夕方になっていた。
別れを惜しむ生徒たちが駅までの道の上に長い列を作った。
私もその中に混じり、じんくんと並んで歩いた。

「弥涼さんの演奏良かったですよ」  
「ありがと。でも何度先生に聴いてもらっても『譜面通りに弾いて……面白いか?』って言われて終わりなんだよね。まだまだなんだよなぁ」

私が眉間に皺を寄せると、じんくんがくすっと肩をすくめて遠慮がちに笑った。

「笑わないでよ、じんくん」
「すみません。先生のマネ凄い似てたから……」
「毎回同じこと言われてたらねー。特徴もつかみますよー」

思わずため息がこぼれる。

「あーもー!譜面通りに弾かなきゃ怒るくせに!」
「自分は弥涼さんのヴァイオリン好きですよ。一音一音大切に、丁寧に奏でようって気持ちが伝わります」
「そんなこと言ってくれるの、じんくんだけだよ。じんくんが顧問の先生なら良かったのに」

私の言葉を聞くと、じんくんがふっと真顔になり声を潜めた。

「今から乗っ取って来ましょうか」
「よし。先生の弱点は……」

せんないことと分かりながらもじんくんと私が額を寄せて密談を始めようとしたその時。
ふっと、周囲が暗くなった。

「雨降るのかな?」
「今日は雨の予告はありませんでしたよ」

不思議に思ってふたり一緒に上を向くと、そこに黒い大きな得体の知れないモノが不気味な羽音を立てて浮いていた。


to be continued → カムフラージュスカイ(2)

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この物語はフィクションです。
仲良しのフレの名前を借りて書いています。
ありがとう!!



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