*.。:*+゜゜+*:.。.*:+☆ モノメイト.。*゚+.ディメイト.。*゚+.トリメイト.。*゚+.てとらめいと~ *.。:*+゜゜+*:.。.*:+☆

てとらめいと

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【読み物】光と影のワルキューレ

  1. 2015.02.28(土) _11:17:41
  2. 小説
  3.  コメント:0
エピソードコンテストに応募していたのですが、選ばれなかったのでここに貼っておきます!
エピソードコンテストの文字制限がきつかったので、こちらに置いておくのは文字制限無視した文字数の方です。

ぷそにいちらぶらぶなルミと弥涼のなれそめをどうぞ゚.+(〃ノωノ)゚.+°


ls01.jpg

それはスサノグレンに憧れて浮遊大陸の緊急に一生懸命だった頃。

ひとりで緊急任務に参加して一周目を終え、二周目を始めようとキャンプシップの中でクエストカウンター端末にアクセスしてみると、「現在のブロックのパーティーに参加する」の一番上に知っている名前が表示されました。

『ルミエール』

フレンドのマークがついたその名前。
「ダンスの人だ」とすぐに気が付きました。

ショップエリアで踊っていたルミエールのダンスを私がモノマネしたことがきっかけで、数日前にフレンドになったばかりでした。
本当にフレンドになって日が浅かったので、いきなりパーティーに飛び込んでも良いのか判断が付かず、一瞬ためらいました。
けれど彼女もソロでプレイしているし、ダンスの時にとても楽しい人だったなと感じていたので思い切ってパーティーに飛び込みました。

「!!!」

私がパーティーに参加した時のルミエールの最初のチャットはこの文字だったはずです。
迷惑だったかと怯みましたが「どうぞ!」と彼女が言ってくれたので安心しました。
キャンプシップから飛ぼうとすると、既にテレパイプが用意されていました。
当時の私はレベルは上がっていましたが、ゲームの知識は初心者から初級者の間くらいだったので、「合流にテレパイプを使うんだ」と感心したのをよく覚えています。

突然のパーティー参加だったのにも関わらず彼女は歓迎してくれました。
思った通りノリの良い楽しい人で、さらにはとても強い頼れるプレイヤーでした。
同じブレイバーとしてたくさんの刺激を受けました。

「っていうのが最初です。ルミ覚えてる?」
「あったねー。覚えてるよ、もちろん」
「あの時思い切ってパーティーに飛び込んで良かったよ。こんなに仲良くなれたんだから」
「あの時さ」
「うん」
「弥涼の名前見つけて、同じブロックにわざと移動してたんだ」
「?!」
「でも、声かける勇気なくてそのまま緊急に出たんだよね」

私がパーティーに飛び込んだ時の「!!!」
あれは私に声をかけられなかったルミエールが本当に驚いた瞬間だったようです。
確かに、誘えなかった相手がパーティーに飛び込んで来たらびっくりすると思います。
その時のルミエールがどれだけ驚いたか想像すると、思わず笑みがこぼれました。

「なんだー。最初から両想いだったのか!」
「そうだよ!」

ルミエールの名前が一覧の一番上にあったのは、偶然だったのか、それとも必然だったのか。
スサノグレンを手にすることはできなかったけれど、こうしてPSO2で一番仲の良い友達を得ることができました。
ルミエールと弥涼は今日もロビーで踊っています!多分!

<終わり>



PSO2サポーターズリンクに登録しています
(*≧▽≦)σぽちっと!してくれたらうれしいです!

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【読み切りSS】細氷のオーナメント

  1. 2014.12.07(日) _13:36:48
  2. 小説
  3.  コメント:0
白銀の世界。
吐く息は白く、風は刺すように痛い。
そんな中、弥涼(いすず)はポニーテールをなびかせ雪原を駆け抜けていた。

細氷のオーナメント01

「寒いっ!」

弥涼が愚痴をこぼすと、通信機からメリッタの苦笑が聞こえた。

『仕方ないですよ。ああなったウルクさんはもう誰にも止められません』

凍土を探索していた時、偶然枝ぶりの綺麗な大樹を見つけた。
それをウルクに話したところ「その樹をショップエリアのクリスマスツリーにしたい!」と依頼されてしまったのだった。

『うわわっ、すっごい熱源反応!き、気をつけてくださいね!』

メリッタが強張った声を上げると同時に、大きな影が弥涼の頭上を覆った。
弥涼は愛刀フブキキザンに手をかけ身構える。
雪煙を蹴散らすほどの咆哮――。

「スノウバンシー?こんなところで!」

弥涼は一気にカタナを引き抜く。
抜刀により発生した衝撃波がスノウバンシーの躯体を縦に貫いた。
そのまま相手の後ろ足に狙いを定め、一気に間合いを詰める。
長期戦になることは既に覚悟の上だった。

「ぐっ!」

思わぬ一撃をくらい、弥涼は凍りついた大地に勢いよく背中を打ち付ける。
戦況は悪くなかった。
首尾よくスノウバンシーの足の爪を全て折り、後はもう的確に頭部を狙うのみで終わるはずだった。

けれど、瀕死のスノウバンシーを庇うようにスノウバンサーが飛び出して来てしまった。
急ぎトリメイトに手を伸ばすも、それを口にする間もなく二匹がこちらに狙いを定めて飛びかかって来るのが見えた。

「しまった……!」

トリメイトを投げ捨てカタナを横に突き出す。
死――その一文字が弥涼の脳裏を過った。

刹那、弥涼と二匹の間に影が滑り込んで、弥涼の代わりに左右からの挟撃を防ぎ、二匹に強力な一閃を叩き返した。

目の前にいるのは片翼のブレイバー。
弥涼には、ひとりしか思い浮かばない。

「ルミ!」
「弥涼、おまたせ!」

間髪入れず地面から閃光が吹き上がり、スノウバンシーの胴を貫いた。
スノウバンシーが体を大きく仰け反らせ断末魔を上げて倒れた雪煙の向こうには、薄紅色の桜吹雪が見え隠れしている。
イロハフブキにワイヤードランスと言ったら、やっぱりひとりしか思い浮かばない。

「じんくん!」

チームメイトのルミエールと辻神が、弥涼を背にして残ったスノウバンサーに立ちはだかった。

『あと一体ですよ!』

通信機からメリッタの興奮した声が聞こえる。

「あっちはまだ殆ど無傷なの」
「大丈夫だ」

その声が聞こえたのと同時に、緑色の優しい光が弥涼を包んで傷や疲労を癒していく。
振り返るとマサヤがレスタで回復してくれたのだと分かった。
そしてそのさらに後方、少し距離を取ったところで、しえんがアサルトライフルを構えてスノウバンサーに狙いを定めているのが見えた。

「足を狙え!ヤツの動きを封じる!」

マサヤの指示に三人が深く頷く。

「行くぞ!」

四人が駆け出すと、スノウバンサーの足に的確にWBが貼り付けられる。
そこを逃さず畳みかけ、あっという間に四肢の爪を折ると、最後はしえんの放ったサテライトカノンですべてが終決した。

「みんなありがとー!」

弥涼が飛び上がって礼を言うと、ルミエールが通信機をトントンと指差した。

「メリッタが教えてくれた」
「そっか。ありがと、メリッタ」
『いえいえー。それが仕事ですからー』

そのまま五人で少し奥へと進むと、視界が開け、一本の巨木が姿を現した。
梢は空高くそびえ、思わず畏敬の念を抱く程に立派な樹木だった。

「これをね、ショップエリアのクリスマスツリーにしたいんだって」

弥涼がそう言うと、それぞれが顔をしかめる。
思ったことは一緒だったらしい。
しえんが代表して呟いた。

「これショップエリアに入る?」

ふっと風がやみ、空気が凛と張りつめた。
音のない世界の辺り一面に小さな光が煌めき始める。
ダイヤモンドダストだった。
巨木の周りにもダイヤモンドダストは輝き、それは正に天然のクリスマスツリーだった。

「このままがいいのでは?」

辻神の言葉に全員が頷く。

「決まりだな」

マサヤはテレパイプを高く放り投げた。

「ウルク説得しないとなぁ」
「私も付き合うよ、弥涼」
「ルミー!だいすきー!」

凍土の奥に佇む銀のクリスマスツリーは、静かに五人を見送った。

* * * * * * * * * * * * * * * * * *

この物語はフィクションです。
仲良しのフレの名前を借りて書きました。
ありがとう!!

これ、アークスクリスマスパーティーの自己アピール欄に張り付けたんですw
ブログほぼ毎日更新してますってのと一緒に。
自己アピールは2,000字以内だったけど、ブログのことも書いたから、正味1,800字くらいかな。
がんばった!私!!

当 た ら な か っ た け ど ね !!!!。:゚(。ノω\。)゚・。

軍曹に「当日コスプレしていきます!」とか書けばよかったのにって言われたけど、嘘は書けないよ(´・ω・`)
自己アピールって特技とか披露するんでしょー。
方向性間違ってたのかな、やっぱり。
でも、後悔はない!w
だって、ゲームやりこんでなきゃショートストーリー書いたりできないもんね!!

行きたかったなぁ。
アークスクリスマスパーティー・・・。
(後悔はないが未練はあるw)

これ、パーティー当日に榎本さんが朗読してくれたりしたら私貸倉庫借りるよ!!!
年齢は読み上げちゃダメだけど!!!


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狐祭日 byすずきささ

  1. 2014.08.07(木) _18:53:19
  2. 小説
  3.  コメント:0
ゆらゆら揺れる水面から体が引き上げられる。
橙色の電灯、嬉しそうに笑った人間の顔、その向こうに銀色の月が見えた。

『ぱしゃん……』

水面を叩く音がして、外の世界はその形を歪め波紋の中へと消えてしまった。
それを、どうとも思いはしない。

いつものこと。
いつもの繰り返し。

私はここから出られない。
こうして水の中から、銀色の月や橙色の照明や、嬉しそうに私たちを覗き込む人間を見上げるだけ。
時々すっと濡れた和紙が私の体をすくっても、それは私の重みで破れ、私はまたここへと戻る。
何も思うことはない。

思うということすら忘れていた。

とある静かな夜だった。
お祭りのお囃子やたくさんの人間の喧騒は聞こえていたけれど、それでも何か静かな夜だった。

ふと、私の上を影が覆った。
水槽の隅でまどろんでいる私に狙いをつけたのだろう。
どんな人間かと水の下から見上げる。

少し、いつもの人間と雰囲気が違った。
斜めに被った狐のお面はいいとして、その人間の着ているものが何か違った。
形は浴衣に似ているけど、もっと堅そうで厚みがあって。
なんだか今の季節には暑そうだった。

その人間が私の体の下に和紙を滑らせた。

『ぱしゃん』

いつものように、濡れた和紙が破れて落ちた。
ただ、落ちた先は狭く知らない場所……。

激しい水流に揉まれ、一瞬目をまわして気が付くと、私は透明な袋に入れられていた。

ゆらゆら
ゆらゆら

人間が、私の入った透明な袋を提げて、他のたくさんの人間の間を縫って歩いて行く。
揺れる袋の外は、橙色の電灯、たくさんの人間。
水槽の外で少しだけは見たことのある景色のはずなのに、何一つ同じものはなかった。

もっと
もっと

もっと他のものも見たくて私は透明な袋の中をくるくると泳ぐ。

見たい。
知りたい。
外の世界をもっと知りたい――。

ふと、人間は橙色の電灯が続く道から逸れた。
鳥居をくぐると、月明りすらも茂る木の葉に遮られる。
闇夜に見るものがなくなった私は、あることに気付く。

人間に、尻尾なんてあったかな……。

私を連れ歩く人間にはふさふさとした尻尾があった。
目新しさに興奮していて気付かなかったけれど、他の人間にもあったのだろうか。

しばらく行くと、尻尾の生えた人間は、暗く静かな場所で立ち止まった。

「ここを住処にするといいですよ」

人間は冷たい池の水に透明な袋を浸すと、袋の口に手を添えながら、もう片方の手でゆっくり袋を逆さまにした。
袋の水とともに押し出された私の体が、水の中の掌の上に乗る。
それを確認して、人間は水の中からそっとその手を引き上げた。
冷たく清らかな水の中でくるくる泳ぐ私を見て少し微笑むと、その人間は池に背を向け歩き出した。

その向こうで暗い夜空が一瞬大きく輝く。

月とも違う、星とも違う。
見たこともない輝きだった。

私はそれをもっとよく見たくて、離れていく尻尾の生えた人間を追いかけたくて、力の限り跳ねた。
水の中でしか生きられない私が、外を見たいなんて願うものではなのかもしれない。
水から出たら、私にはもう生きる術がない。
だけど、それでも、見たかった。
追いかけたかった。

カラン、コロン。

尾ひれが足になり、下駄の音が鳴る。
胸のひれは浴衣の袖になり、私の元の姿は柄になった。

「あれは、何?」

私の声に、尻尾の生えた人間が振り返る。

「花火です」
「はなび……」

木々の間から覗く夜空の先。
次々と花開いてはキラキラと消えていく花火を私はその場で見上げた。

「もっと、開けたところで見ましょうか」

そう言って、尻尾の生えた人間は歩き出す。
私はその後をついて行った。

尻尾を追いかけ石段を登る。
時折、足元が明るくなるのにつられて後ろを見ると、段々と花火に近づいている気がした。

「着きましたよ」

最後の石段を登り切り、来た方向へと振り返る。
調度打ち上がる音がして、少し後で大きな花火が私たちを照らした。

綺麗だと思った。
けれど、言葉にならなかった。

眼下には見慣れた橙色の灯りがひしめき一直線に伸びている。
あんなに小さく、穏やかな光だったんだろうか。
私は、あの光の下のほんの小さな水槽にいたのか。

夜空はどこまでも続いていて、
花火は大きくて色とりどりで、
煙は風になびき、お祭りのお囃子が遠くに聞こえる。

月は本当は金色だったなんて、知らなかった。

「あの池にいてくれれば、もっと長く生きられたのですが」
「ううん。いいの」

私はこれで消えてしまうけれど、後悔はない。

「すくってくれて、ありがとう」

私の言葉に、彼は微笑んでくれた。

人間じゃなかったんだね。
だってほら、橙色の灯りの下を歩く人間に尻尾はないもの。

「また、いつかお会いしましょう」
「うん、またいつか」

あなたと、この世界を一緒に見れたらいいな。


―終―


最後まで読んでいただきありがとうございました!

※このストーリーはフィクションです。
弥涼も弥涼のフレンドさんも関係ありません。
モデルはいるけどね(*´艸`*)
参考記事

あと、このストーリーは藤田麻衣子さんの「金魚すくい」という歌をモチーフに書きました。
読んでぴんと来たあなたとは良いお友達になれそうです!!ヾ(o´∀`o)ノ
いつか、「金魚すくい」を元にしたストーリーを書きたかったので本望。*:゜☆
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【読み物】弥涼暮れゆく空宙の向こうに・4 byすずきささ

  1. 2014.06.12(木) _09:12:00
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強くなりたい。

私は、強くならなきゃいけないんだ。


 


もっと、もっと、もっと――!!!


 


陽の光が積もった雪にキラキラと反射してまばゆいナベリウスの凍土の中、その一心でカタナを振るう。

ジャストヒットとか、ガードとかもうそんなものもどうでもいい。

一秒でも早く、一体でも多く、敵を殲滅する強さが欲しかった。


 


ソルさんとアイシャさんのふたりを見て少しだけ感じた気持ちと、燈月のお兄さんを想っていた気持ちを重ねてしまったせいで、やっと見ることの少なくなっていたあの悪夢としか思えない現実の夢を、再び毎夜見るようになってしまっていた。


あの日の事は忘れていたわけじゃない。


けれど、半ば強制的に繰り返される日常を重ねて、心も半分くらいは大人になって、あの日の事を胸の底にしまうことができていただけ。

きっかけがあれば全部引きずり出されて、頭の中を占領して消えなくなる。

そして、いろいろな罪悪感が私を責め立てる。




あの日、お兄さんの大切なお姉さんは、こちらに向かっている途中だったはず。

私たちの住むエリアに来るには、大きなターミナル駅で乗り換える必要があった。

あの時お兄さんの言っていた「一番爆発の大きかった方」とは、そのターミナル駅を中心にした広い範囲だった事をアークスの研修中の授業で知った。


お兄さんは、きっとそっちに行きたかったはずなんだ。


でも、私たちがいるから、行かなかった。


私たちを探しに来てくれた。


そして、命を落とした。


最期に、大切なお姉さんに会うことなく――。


私たちのシップで生き残ったのは十人の子供だけ。

だから、お姉さんもお兄さんに会うことなく逝ってしまった。


(私が、来てほしくないなんて思ったから!)


力任せにイエーデを斬りつける。

けれど、倒しきれなくてまともに反撃を受けてしまった。

背中から地面に叩きつけられ、骨が軋む。


「ぅぐっ!……げほっげほっ」


こんなんじゃ、全然ダメだ。




それから。

あの日、お兄さんが死んでしまったのは私のせい。




お兄さんの背後から飛びかかろうとしたダガンを、私は足元に落ちていた支柱で殴りつけた。

倒せるとか考えたわけじゃない。

ただお兄さんの助けになりたかった。

でも、慢心があったと言われたら否定できない。

私は両親の勧めで剣術を習っていて、同い年だったら男子にだって負けたことはなかったから。


お兄さんの助けになれるかもって、心のどこかで思っていたんじゃないかって、自分で自分を疑っている。


私がバカだったから。

私が役に立たなかったから。

お兄さんは死ななくて済んだかもしれないのに、死んでしまった。

私をかばったせいで……。


だから強くなりたい。


大切な人を守れるように。

大切な人と、肩を並べて戦えるように。


「だから、こんな程度じゃ全然ダメなのにっ!」


心が焦るばかりで何もうまくいかない。

通信機からミッション失敗を通知するメロディが流れて、私はキャンプシップに強制収容された。


疲労感ばかりで何も得られず何も考える気になれない。

とぼとぼとアークスロビーを横切っていると、ちょんちょんっと肩を突かれた。

思わずそれに反応して振り向くと、「ふに」っと私の頬に何かが刺さった。


「いっすーずちゃん」

「アイシャさん……」


アイシャさんは満面の笑みを浮かべて、白く綺麗な人差し指でふにふにふにふにと私の頬を突き続ける。


「あの……、なんでしょう?」

「ん?」

「えっと、私に何かご用があるのでは?」

「ううん」

「え?」

「いすずちゃんが赤いほっぺしてたから突きたかっただけ。ほっぺ冷たいね。凍土行ってた?」

「はい。でも、うまくいきませんでした」


自分が情けなくて深いため息が出た。


「なら、チームに入ってみるか?」


その声に慌てて顔を上げる。

アイシャさんがいたら、ソルさんもいるに決まっていた。


「チームですか?」

「うん。弥涼はまだどこにも所属してないだろ。どこかいいなと思っているチームが特になければ、うちのチームに入ってみないか。ひとりで難しいこととか、助け合える」

「ソルさんの、チームですか?」

「俺じゃない。アイシャがマスターだから、アイシャのチームだな」

「アイシャさんの?」


私が意外だと驚いてアイシャさんの顔を見てしまったのに、アイシャさんは気分を悪くする様子もなく、すっと背筋を伸ばして腰に手を当て、大人っぽい目つきをして見せた。


「アーカムのマスター。アイシャです」


けれどシリアスは数秒と持たなかったようで、すぐに「うふっ」と笑うと私に飛びついてきた。


「いすずちゃん、ようこそアーカムへー!」

「え、あの。私まだ入るって言ってないです!」

「じゃ、今言って!」

「えっ?!」

「はい、復唱して。いすずはアーカムに入ります!」

「えっと、あのっ。私、全然強くないです!」


断り文句のつもりでそう言ったのに、アイシャさんはキョトンとした顔で首を傾げる。


「そんなのいいよ」

「良くないです!」

「いいよねぇ?ソル」

「もちろん」


アイシャさんに同意を求められたソルさんが、私を真っ直ぐ見て笑顔でうなづく。

その笑顔にまた引き込まれそうになって慌てて顔を伏せた。

私の仕草が自身無さげ故に見えたのか、ソルさんが優しいトーンで続けた。


「心配なら、俺たちが強くなれるよう手伝うさ」


その言葉に、はっとする。

このふたりに付いて行ったら、ソルさんに付いて行ったら、私は強くなれるかもしれない。

守られる立場じゃなく、守る立場に立てるようになるかもしれない。

突然、チームに入ることが強さへの近道に思えてきた。


「えっと、じゃぁ。よろしくお願いします」


アイシャさんに抱きつかれたままの私が小さく頭を下げると、アイシャさんはパッと私を放し、うれしそうに両手を上げてくるくると回って見せた。


「わーい!4人目のメンバーげっとー」

「改めて、よろしくな」

「はい」


強くなりたい。

ひとりでダーク・ラグネに立ち向かえるくらい。

誰の手も煩わせないくらい強く、強くなるんだ。





【読み物】弥涼暮れゆく空宙の向こうに・1 byすずきささ
【読み物】弥涼暮れゆく空宙の向こうに・2 byすずきささ
【読み物】弥涼暮れゆく空宙の向こうに・3 byすずきささ
【読み物】弥涼暮れゆく空宙の向こうに・4 byすずきささ


 * * * * * *



※この物語はフィクションです。

アーカムのメンバーが登場しますが、プレイ日記やチャットのログなどではありません。

でも、個々のキャラクターは押さえてるよ!



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【読み物】弥涼暮れゆく空宙の向こうに・3 byすずきささ

  1. 2014.05.22(木) _06:38:18
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  3.  トラックバック:0
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ナベリウス凍土の雪原をひた走る。

走って、走って、走って――……。


ふっと、風景が変わった。


それでも私は走り続ける。

ここはよく知っている場所だ。


背中のランドセルの中で、たくさんの教科書やノートが揺れて重い音を立てる。

綺麗に舗装された道。

信号に合わせて行き交う車。

でこぼこと立ち並ぶたくさんのビル、虹の架かる青い空。


この先の交差点をふたつ越えて、角を曲がれば私の住むマンションだ。


「すずー!待ってぇ!」


後ろから声が掛る。

速度を緩めて振り返ると、綺麗なピンク色の髪を揺らして、背の小さい女の子が必死で私を追いかけて来ていた。


「燈月(ほたる)!頑張って!」

「むりだよー!」


燈月は空を仰ぐと、諦めてとぼとぼ歩きだす。

私は逸る心を押さえて引き返した。


「大丈夫?」

「だいじょぶ、じゃない。ぜん、ぜん……ぜぇ、ぜぇ。わた、し。すずみたいに速く走れないってば!」

「だって早く帰りたい」

「逃げないよー。すずのお父さんもお母さんも、私のお兄も」

「そうだけど……。じゃ、こっからは歩くよ」

「そうして……」


私は、まだ顎が上がって肩で息をしている燈月に歩調を合わせて歩き出す。


アークスである父と母が、長期間の大きな討伐作戦から帰って来たとメールがあった。

そしてそのメールには、私の父と母に憧れてアークスを志していた燈月のお兄さんが、ついに夢を叶えてアークスとなり一緒に返って来た事も付け加えられていた。


早く会いたかった。

お父さんとお母さんと、燈月のお兄さんに。


「そういえばね。お姉もうちに来るって。これから行くよってメール来てた」


燈月の言葉に胸がチクッとする。

燈月にはお兄さんしかいない。

だから、燈月のいう「お姉」っていうのは、お兄さんの大切な人――。


「お姉ね、私たちに渡したいものがあるんだって。絶対誕生日プレゼントだよね!楽しみー」


燈月が頬を赤くして嬉しそうに微笑む。

燈月と私は誕生日が1日しか違わない。

去年も、その前の年も、お姉さんは燈月の友達だからって、私にも誕生日プレゼントを用意してくれていた。

笑顔が素敵な、優しい人。


お姉さんの事は、私も好き。

なのに、嬉しさで埋め尽くされていた心の中に、ぽっかりとほんの少しだけ、本当にほんの少しだけ、がっかりしている部分ができる。

お姉さんといる時のお兄さんはとても楽しそうで、私は話しかける事もできなくなって……。


(来て、欲しくないな……)


一瞬でもそんな風に思うそんな自分が嫌だった。




不意に、ゾクッと背中を不快な寒気が走った。


『ダメ……ダメだよ。この先は、ダメ……。この信号を、渡っちゃダメ……』


頭の中で、この先に行ってはいけないという警告がガンガン鳴り響く。

なのに私は足を止める事が出来ない。

燈月は嬉しそうにプレゼントが何なのかあれこれ推理している。

もうすぐ信号を渡り切る。


知ってる。

この先がどうなるのか。




私、知ってる――。




私の足が、歩道の端に届く。

突然、目の前のビルが大きな爆発音とともに大破して崩れ落ちた。

そう、そしてこの後はその崩れたビルの周りから……。


「なにあれ!!!」


燈月が悲鳴を上げる。

黒くて赤い気持ち悪い正体不明の存在。


ダーカー。


今なら分かる。

あれはダガンの群れだ。

無数に湧いて来るダガンに、街ゆく人々が逃げ惑う。

私は腰のカタナを抜こうと手を後ろに回した。

でも、手ごたえがない!


「?!」


そうだ、まだ私はアークスじゃないんだ!

どうしたら……!!


「燈月!走って!!一生分の本気で走って!!」


私は燈月の手を取ると自分の家に向かって駆け出した。

家に行けばお父さんとお母さんがいる!

きっと助けてくれる!


「わ!」


燈月と繋いでいた手が離れる。

私の速度に付いて来る事ができずに、燈月が思いっきり転んだからだった。


「燈月!」

「だっ、だいじょぶっ」


燈月の膝から血がにじむ。

私はすぐにランドセルを放り出し、燈月に背中を向けてしゃがんだ。


「おんぶするから!早く!」

「う、うん」


燈月は同級生で一番小さい。

私は同級生の中でも大きい方。

きっと、なんとかなる。

できる!


ダガンの群れは私たちに向かってもうすぐそこまで来ていた。


「燈月!弥涼!」


私たちの名前が呼ばれると同時に、炎の塊が飛んで来てダガンを焼き尽くした。


「大丈夫か、ふたりとも!」

「お兄ぃー!」


私の背中にしがみついた燈月が、涙声でお兄さんを呼ぶ。


「あー、間に合ってよかった。ってか、なーにおんぶされてんだよ。燈月は」


治まりゆく炎の向こうから現れたお兄さんが呆れ顔で笑う。

その笑顔が私の胸を突く。



もう見ることが叶わなかったはずの笑顔。



私は思わず大きな声でお兄さんの名前を呼びたくなった。

呼びそうになった。

なのに、お兄さんの名前が思い出せない。

名前。

お兄さんの名前は――?


「ほら、すりむいたところ見せてみな」


私がお兄さんの名前を思い出せなくて呆然としている間に、私の背中から降りた燈月が、お兄さんに傷の手当てをしてもらっていた。

緑色の優しい光が燈月のすりむいた膝を覆うと、あっという間に傷口がふさがっていった。


「よし。これで走れるな?燈月」

「うん」


燈月の頭をクシャっとなでると、お兄さんは真顔になる。


「弥涼」


お兄さんの真剣な声にハッと引きもどされた。


「燈月を頼むよ」

「うん」


私が大きく頷くと、お兄さんは武器を構えた。


「俺が道を切り開くから、ふたりで突っ切れ。シェルターまで走る!」

「あのっ」

「ん?」

「お父さんとお母さんは……」

「一番爆発の大きかった方へ向かった。シェルターで待っててっ言ってた。大丈夫だよ、おじさんとおばさんなら」

「はい」

「いくぞ!」


お兄さんは掛け声とともに再び火球を放った。

そして燃え上がる炎の間を縫って私と燈月は駆け抜ける。

お兄さんの技はダガンを一匹残らず焼き尽くす。

お兄さんが助けに来てくれた。

きっともう大丈夫。

なのに、怖い。

恐怖が消えない。


ダガンが怖いんじゃない。

この先で待っている事が怖い。


私は、この時の結末を、知っているから。





背後でもう一度大きな爆発音がした。

振り返ってみて見えたのは、業火に包まれる街。

それから、空を、地面を、覆い尽くした無数のダーカー。


「あ……」


立ち並ぶマンションには大きな亀裂が入り、みんな奇妙な方向に傾いていた。

私の左腕からはたくさんの血が流れていて、右手で押さえたところでどうにもならない。


「うそだ……」


凄惨な光景に怯んで後ずさると、カシャンと音がするものを踏みつけた。


「なに?」


足元に視線を落とす。

私が踏んだのは、アークスが使うロッド。

先の部分が粉々に砕けている。

そのすぐ傍で倒れているのは……。


嘘じゃかなかった。

夢じゃなかった。

間違いじゃなかった。


お兄さんは、もう動かなかった。

父と、母にも、もう会えなかった。



私の故郷だったアークスシップは、ダーカーによる侵略を受けて放棄されたからだ。



覚えてる。

忘れられるわけない。

君たちだけでも逃げろと知らないアークスに押し込められたキャンプシップ。

そこから見た、私たちのアークスシップがバラバラに千切れていく様を。







「あああああっ……!」


自分でもびっくりするほどの叫び声を上げて飛び起きる。

無意識で額に手を当てると、手のひらが汗でじんわりと濡れた。


「何?夢?」


夢だと分かり切っているのに、声に出して確認しなければいけないほど怖かった。

呼吸が浅い。

苦しい。


「今なら、私だってダガンを倒せるのに……」


どうしてあの時私はアークスじゃなかったんだろう。

そう思ってもどうしようもない。

夢でさえ間に合わせることができなかった。


「今なら、私も一緒に戦えるのに……」


泣くのを我慢しようとすると、余計にこみあげてくる。

悔しくて悔しくて、涙が止まらなかった。



 

【読み物】弥涼暮れゆく空宙の向こうに・1 byすずきささ
【読み物】弥涼暮れゆく空宙の向こうに・2 byすずきささ
【読み物】弥涼暮れゆく空宙の向こうに・3 byすずきささ
【読み物】弥涼暮れゆく空宙の向こうに・4 byすずきささ
 

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※この物語はフィクションです。

アーカムのメンバーが登場しますが、プレイ日記やチャットのログなどではありません。

でも、個々のキャラクターは押さえてるよ!



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